2014年 宗教改革記念講演会のご案内
灘教会では、本年も恒例の宗教改革記念講演会を、下記の通り開催いたします。 講師はキリスト教哲学の権威、「『ハイデルベルク信仰問答』講義」の著者でもあります。皆様のご来会をお待ちしております。
演題:「『ハイデルベルク信仰問答』について」
―特に聖餐論を中心に―
日時:2014年10月26日 午後1時30分~3時
場所:日本キリスト改革派灘教会会堂
講師:春名純人先生 ( 関西学院大学名誉教授、 灘教会引退長老)
【講師の言葉】
「ハイデルベルク信仰問答」は今からおよそ450年前、1563年、「ドイツ民族の神聖ローマ帝国」の一つ、「プァルツ選帝侯国」の首都ハイデルベルクに成立した宗教改革文書ですが、今では各国語に翻訳されて世界の改革派系プロテスタント教会でも学校でも家庭でも用いられ、愛読されている文書です。観光客が最も訪れたいヨーロッパの町の一つであるハイデルベルク、あの町の美しい古城と麓の大学と中心街の聖霊教会が、「生きるにも、死ぬにも、あなたの唯一の慰めは、何ですか」という問いで始まる、この慰めに満ちた、美しい「信仰告白文書」を産み出した舞台です。ルターの宗教改革から僅か数年後、この「ハイデルベルク信仰問答」がプロテスタントの牙城になった必然性と歴史的背景、この教理問答の骨組みとその特色について話してみたいと考えています。全体的に各論ともカルヴァンの影響を強く受けていますが、特に聖餐論がカルヴァンの『キリスト教綱要』の精神に一致し、最もカルヴァン的であるという点では、右から左まで、学者の意見は一致しています。主の晩餐に信仰をもって正しく与るためにのみならず、信仰の本質が最も良く輝いている、「ハイデルベルク信仰問答」の聖餐論に学びたいと思います。試練に遭う時、最も慰めを受けるのは、この問答の次の思想です。「天地の創造主である全能の神は、主イエス・キリストの贖いのゆえに、わたしたちの父となってくださいました。この天にいますわたしたちの父は、わたしたちの体と魂の必要をすべて御存知であります。それゆえ、わたしたちに禍と見えることも、益に変えてくださいます。天の父は、全能の神として、そのことがお出来になりますし、わたしたちの父として、そのことを欲してくださるのです」(要旨)。
ハイデルベルク城から聖霊教会を望む
(1990年7月27日講師撮影)
【著書】
『哲学と神学』(法律文化社、1984年)
『思想の宗教的前提―キリスト教哲学論集―』(聖恵授産所出版部、1993年)
『「ハイデルベルク信仰問答」講義』(聖恵授産所出版部、2003年)
『恩恵の光と自然の光―キリスト教文化論集―』(聖恵授産所出版部、2003年)
『「ウェストミンスター小教理問答」講義』[上・下](聖恵授産所出版部、2009年)他